リテールDXニューズ

リテールDXコンサルタント小山が小売店様のDXに参考となる情報を発信いたします。上場企業のデジタルトランスフォーメーション推進室長で、リテール・コンサルティング支援のコンサルタントとして独立。生活者の行動において一挙にデジタル化が進んだことで、1to1マーケティングに近いことをやっていく必要性をとく。

ショールーミングとは

ショールーミングは、小売店で確認した商品をその場では買わず、ネット通販によって購入する消費者の行動のことです。この行動は、ネット通販が普及し、商品の価格や評価などを簡単に比較できるようになったことで増えてきました。消費者はリアル店舗で商品の品質やサイズなどを確かめた後、オンラインで最安値を探して購入することがあります。これは小売店側にとっては不利益な行動ですが、消費者側にとっては合理的な選択です。

例えば、家電量販店でテレビやパソコンなどを見て回った後、スマートフォンで同じ商品の価格やレビューをチェックしてからオンラインショップで注文する人がいます。この場合、家電量販店は商品の展示や接客にコストをかけているのに売上が得られません。'

ネット通販では、人件費や賃料などがかからないため、商品によっては従来型の小売店よりも安価な価格で商品を提供することがあります。また、ネット通販では在庫管理や配送も効率化されており、多様な商品やサービスを提供できます。そのため消費者はリアル店舗を商品吟味のためだけに利用する行動が増えてきました。これは小売業界全体に影響を与えており、リアル店舗の役割や価値が変化しています。 例えば、ファッションブランドではオンライン限定商品やカスタマイズサービスなどを提供しています。これらの商品やサービスはリアル店舗では扱いづらいものです。また、ネット通販では送料無料や返品無料などの特典もあります。これらの要因から消費者はオンラインショッピングを好む傾向があります。

なおショールーミングの逆の消費行動を、ウェブルーミングと呼びます。ウェブルーミングでは、消費者は店舗で購入する前にオンラインで商品を調査します。この行動は、オンラインでは感じられないリアル店舗の魅力や安心感を求める消費者が増えてきたことで起こっています。消費者はオンラインで商品の情報や口コミなどをチェックした後、リアル店舗で実際に見て触って購入することがあります。これは小売店側にとって有利な行動ですが、オンラインサイト側にとって不利益な行動です。 例えば、本や雑誌などの出版物ではオンラインで試し読みやレビューを見ることができますが、実際に購入するときはリアル店舗で手に取って決める人がいます。この場合、リアル店舗は商品の魅力や雰囲気を伝える役割を果たしています。 また、食品や化粧品などの消耗品ではオンラインで安く買えることが多いですが、初めて購入するときはリアル店舗で試食や試用をしたい人がいます。この場合、リアル店舗は商品の品質や効果を確かめる役割を果たしています。